大久保寛司が語る 人と経営みらい塾2019
第1回講座レポート

タイムマネジメント 断捨離のススメ

2019.7.3紙面.jpg習慣やめて働き方改革

 「大久保寛司が語る 人と経営みらい塾2019 ~真の働き方改革と3つのマネジメント」(沖縄タイムス社主催)の第1回講座が3日、那覇市のタイムスホールであり、約350人が参加した。「人と経営研究所」所長の大久保氏が「タイムマネジメント~断捨離のススメ」と題し、「働き方を変える基本は長年続けていることをやめること。やめて反動が出れば元に戻せばよく、まずはやってみることだ」と企業内の習慣を見直す必要性を説いた。

質の高い対話が重要

2019.7.3紙面②.jpg 「仕事の本質は価値を生み出すことだ」と指摘。組織内には本来の目的を失っているにもかかわらず、続けている事例があるとして「価値を生み出すことにつながっているか検証すべきだ」と訴えた。
 一例として役員会議を挙げ、「大手企業の会議の多くは社長の満足度を上げるため。会議のためにスタッフはたくさんの資料を用意している」とし、会議をやめることで生まれる余力を他の活動に振り分けるべきだとした。
 「ご高説拝聴会」となっている会議の代わりに「コミュニケーションの場」を設ける必要性を強調。「働き方改革のベースは仕事の効率を上げ、生産性を高めること。そのためには社内のチームワークをよくすることだ」と述べた。
 徳島県のナット製造会社の西精工は、毎日1時間の朝礼で経営理念を確認して自らがやるべき作業を確認しており、部署横断で社員間のコミュニケーションを取っていると紹介。「作業工程で情報伝達のミスがなくなり、社員のプレゼン能力が身に付いている。働き方改革をするのならば質の高い対話の場をどれだけ設けるかだ」と述べた。
 「生産性が高い会社は遊びも多い」と指摘。社内でのイベントや飲み会などが頻繁にあり、社員の参加率が高い企業は「社員が働くことの楽しさを感じている。組織風土のレベルを表す指標にもなる」とした。
 「日本の企業では公私を分けるべきだとの考えが一般的だが、グーグルの調査では社員間でプライベート情報を共有している企業ほど生産性が高い結果が出ている」と紹介。子どもの体調不良で社員が休みや早退を取得しやすいかにも企業風土が現れるとした。「社員が働きやすい環境にすることが大事。プライベート情報を共有することで相手への思いやりが生まれ、助け合いにつながる。働き方改革よりも大事なのは社員同士が助け合う風土をつくることだ」と訴えた。

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