大久保寛司が語る 人と経営みらい塾2019
第3回講座レポート

チームマネジメント 相手の見えない状況を察する

2019.11.20紙面.jpg本音で語り合える場を

 「大久保寛司が語る 人と経営みらい塾2019~真の働き方改革と3つのマネジメント」(沖縄タイムス社主催)の最終回となる第3回講座が20日、那覇市のタイムスホールであり、約350人が参加した。「人と経営研究所」所長の大久保氏が「チームマネジメント~相手の見えない状況を察する」と題し「本音で語り合える場を作れるかどうかが組織力、チームマネジメントにつながる」とコミュニケーションの質の重要性を説いた。

部署に関係なく協力

2019.11.20紙面②.jpg 大久保氏は「チームマネジメントができている企業の特徴はシンプル。協力して助け合うレベルが高いことだ」と指摘。別の観点でみると「人が辞めない職場」でもあるとし、チームマネジメントを実現する上で、お互いを助け合える職場かどうかが大事なポイントになると説いた。
 これを踏まえた上で、長野県の食品メーカー「伊那食品工業」の事例を紹介。同社では、縦割り業務の壁を越え、部署に関係なく「お互いにお互いの仕事ができる」など部署を横断し、互いに協力することで、業務の「究極の平準化」がされているという。大久保氏は「こういう会社は、優しさに秀でた文字通り優秀な人が集まっている。これが本当のチームワークに優れている会社」と評価した。
 また、伊那食品工業では「部下の面倒を見て、相談に乗ることが管理者や上司の役割で、部下を管理するという発想がない」と話した。管理はゼロをマイナスにしないためのもので、何も生み出さないとし「管理は、前向きな活動ではない」と指摘した。
 「チームマネジメントで大事なのはコミュニケーションの質だ」とし、お互いに本音で語り合える場を作れるかどうかがチーム力として表れると説いた。その上で、リーダーは「何でも安心して発言できる」「誰に何を言っても叱られない」とメンバーが思える雰囲気づくりをする必要があると指摘。「いいリーダーはその場にいるだけで職場の雰囲気を穏やかにし、部下は自然といい発想が出てくるものだ」と話した。
 「素晴らしい企業とは、業績がいいのではなく、そこに働き続ける社員が輝き続ける会社」とし、全国的に人手が不足している中で「どうしたら人が来るかはシンプル。いい人が来る職場を作ることだ」と述べた。
 その上で「社長じゃなくても、あなたには後輩がいるはず。まずは、自分の半径3メートル以内で、幸せな職場づくりを実現してみてはどうか」と提言した。

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