2015年09月03日(木)
守れ美ら島 企業も汗【特集】
調査隊8人、協賛企業を突撃取材!


 県内の子どもたちが環境について考える「沖縄こども環境調査隊2015」(主催・沖縄タイムス社、共催・一般財団法人沖縄美ら島財団)の協賛企業視察が8月に行われた。8人の隊員は、企業4社の環境保全活動を現地まで足を運んで調査し、自らも主体的に保全に取り組む決意を新たにした。協賛企業は沖縄海邦銀行、環境ソリューション、オキナワマリンリサーチセンター、沖縄コカ・コーラボトリング、我那覇畜産。(順不同)

環境ソリューション
エコ徹底でごみ処理



 産業廃棄物の収集・運搬や中間処理作業を行う環境ソリューション(沖縄市、仲西昇社長)は、「環境に優しい社会の実現」をめざし、廃棄物と二酸化炭素の削減に取り組んでいる。
 調査隊は8日に同社を訪ね、仲西社長、宇良辰徳課長の説明を聞いた。仲西社長はごみ処理時に出る廃熱を二次利用する取り組みなどを説明。「循環型社会に向けてリサイクルに全力を尽くしている」と話した。隊員らは、廃熱を宅配する「トランスヒートコンテナ」や大型ごみ用の破砕機、廃棄物保管ピットなど、日ごろ見る機会のない施設・機能を見学し、廃棄物が処理されていく過程を学んだ。
 齋藤健太君(読谷中3年)は「環境汚染を和らげるためにも、3R(リデュース、リユース、リサイクルの頭文字をとった言葉)を守り、ごみを減らしていく必要がある」と話した。桜井久玲愛さん(港川中1年)は「本当に必要なものだけを使っていきたい」と決意を新たにした。

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宇良課長(右)からごみ処理の方法について説明を聞く調査隊員ら


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ゴミ処理について説明する仲西社長(右)=8日、沖縄市の環境ソリューション

沖縄コカ・コーラボトリング
水の環境保全 山から


 沖縄コカ・コーラボトリング(浦添市、高橋俊夫社長)は、環境を守りながら地域とともに発展するという同社の理念で、2006年から「森に学ぼうプロジェクト」を本島北部で実施している。森を育てることが水源を守ることにつながるという視点で、ツバキやシークヮーサーなどの植栽や、定期的に水やり・剪定(せんてい)を行う「育樹」活動に取り組んでいる。
 13日、同社の担当者らが、大宜味村の大保ダムで調査隊員に講話研修を行い、シークヮーサ-の剪定でともに汗を流した。
 担当者は隊員らに「環境を守る次世代のリーダーとして成長してほしい」と呼び掛けた。売り上げの一部がヤンバルクイナの保護活動に寄付される自動販売機も紹介した。
 當銘舞子さん(美里中1年)は「水を守るための植樹は、長い時間がかかることを知った」と話した。名嘉山栞さん(安岡中1年)は「環境を守るボランティア活動をしていきたい」と誓った。

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植樹などの活動内容がパネルでも紹介された=13日、大宜味村の大保ダム



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沖縄コカ・コーラボトリングの担当者(右)からシークヮーサーの剪定方法を学ぶ調査隊員


オキナワマリンリサーチセンター
命の海 汚さない決意


  オキナワマリンリサ-チセンター(OMRC、恩納村、小林利充所長)は、人と自然のふれあいを通して自然のすばらしさを伝える取り組みを展開している。また、売り上げの一部を基金にし、自然保護や研究などの分野に助成している。
 隊員らは29日、恩納村のルネッサンスリゾートオキナワ内でOMRCが運営するドルフィンラグーンを訪ね、ガイドツアー「フリッパーズスクール」を体験した。
 ドルフィントレーナーの成冨由衣さんがイルカの生態をはじめ、食物連鎖について説明。漂流ごみがイルカに悪影響を与えている現状などを報告した。「海の生き物たちと共存するためには海を汚してはいけない。何ができるのか考えましょう」と呼び掛けた。
 高村ゆず子さん(座安小6年)は「飼育の大切さや食物連鎖のことがよく分かった」と話した。儀間瑞季さん(古蔵小5年)は「海をきれいにするために自分が出したごみは全部持ち帰る」と言葉に力を込めた。

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成冨さん(手前左)のガイドで海中生物にふれる調査隊員=29日、恩納村のルネッサンスリゾートオキナワ

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イルカのいきいきとした生態を目の当たりにし、調査隊員から歓声が上がった

沖縄海邦銀行
みどり守る運動理念

 沖縄海邦銀行(那覇市、上地英由頭取)は、沖縄戦で失われた緑を復活させるため、1974年から県内で植樹やその活動資金を造成する「みどりの運動」を続けている。
 20日に同行を訪ねた調査隊に、総合企画部経営企画担当の比嘉隆也調査役が、みどりの運動をはじめ、サンゴの植え付けや保全啓発を行う「チーム美らサンゴ」の活動内容について説明した。比嘉さんは「100年先を見据えて木を植えている。自然を壊すのは人間だが、守ることができるのも人間だ。無駄な電気を使わないなど、日常的なことから環境保全はできる」と一人一人のエコ意識の大切さを強調した。
 長島由奈さん(安岡中1年)は「人間が自然に手を出すことで環境破壊が進むということが分かった。身近なことから保全活動をしていきたい」と話した。畔上英士君(宮森小6年)は「銀行が環境保全の活動をしているなんて知らなかった。ほかの企業も取り組んでほしい」と話した。


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記念撮影する調査隊員ら=20日、那覇市の沖縄海邦銀行本店


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(写図説明)40年以上続く植樹活動について説明する沖縄海邦銀行の比嘉隆也さん(右)