2016年09月04日(日)
海のように世界つなげ
こども環境調査隊 体験を発表
県内の小中学生10人が環境について調べる「沖縄こども環境調査隊2016」のシンポジウム(主催・沖縄タイムス社)が3日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれた。隊員10人は視察した鹿児島県屋久島での体験などを基に、自然を守るための考えを発表。最後は全員で「海のように世界の気持ちをつなげ、自然と人間の共存を目指す」と環境宣言をして締めくくった。約150人が子どもたちの意見に聴き入った。
発表は2人1組で、海と山のつながりやウミガメの生態、人の生活や観光産業が自然に大きな影響を与えていることなどを伝えた。
真和志小6年の西原和夏さんと港川中1年の稲福優衣さんは「ごみを拾い、捨てないようにすることで、間接的に生き物を守ることができる」と主張。開邦中1年の加蘭太一さんと上山中3年の新垣鈴菜さんは「環境を守るには規制ばかりでは駄目。触れて分かることもあり、目を向けることが大切」と訴えた。
基調講演では、アクアコーラル企画の屋比久壮実代表が「屋久島の豊かな森は、海の豊かさを育む」と解説した。隊員OBとOGによるパネルディスカッションでは、調査隊の参加が進路や環境への意識の変化につながったと話し合った。
(写図説明)貴重な自然環境を守ろうと環境宣言を発表した調査隊のメンバー
=3日、那覇市久茂地・タイムスホール
こども環境調査隊シンポジウム
9月3日 タイムスホール
沖縄タイムス社は「沖縄こども環境調査隊2016シンポジウム~地球の声を伝えよう」を開催します。県内学習、鹿児島県屋久島視察を終えた隊員が学んだこと、感じたことを発信し、環境問題について考える場とします。(入場無料)
▽名称 沖縄こども環境調査隊2016シンポジウム 地球の声を伝えよう~海の生き物と環境保全~
▽日時 9月3日(土)午後2時~4時30分
▽場所 タイムスホール
▽定員 200人(事前申込制、先着順)
▽基調講演 「屋久島の海~豊かな森からの贈り物~」屋比久壮実氏(アクアコーラル企画代表)
▽パネルディスカッション 隊員OBOG体験談
▽隊員調査報告(沖縄県内の小・中学生10人)、環境宣言
▽申し込み・問い合わせ 沖縄タイムス社広告局企画推進部、電話098(860)3573(平日午前10時~午後6時)
主催 沖縄タイムス社
共催 一般財団法人沖縄美ら島財団
協賛 沖縄海邦銀行、環境ソリューション、沖縄コカ・コーラボトリング、我那覇畜産
2016年07月30日(土)
屋久杉守る活動学ぶ 環境調査隊
(写図説明)樹齢約1800年といわれる「仏陀杉」を眺める隊員ら=29日、鹿児島県屋久島町
【屋久島で出嶋佳祐】「沖縄こども環境調査隊2016」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)で鹿児島県屋久島の環境調査に取り組んでいる隊員10人は29日、島の南東部にある標高千メートル以上のヤクスギランドで森を歩いた。
屋久島世界遺産センターでは、世界遺産登録後に起きた、ごみ問題などの課題を聞き取った。
山のトイレの汚物を担当者が歩いて里まで運ぶことに驚いた栗山詩帆さん(神森中1年)は「自然を守るには観光客側のマナーが欠かせないことが分かった」と話した。
樹齢1800年以上の「仏陀杉」を見たウィンフィールド・ハリー・ウィリアム・フィフス君(沖縄カトリック小5年)は「周囲が8メートルもあって、僕の腕だけじゃあ囲みきれない」と目を丸くした。
隊員らは30日に沖縄に帰る。9月3日には、那覇市のタイムスホールで研究成果を発表する。
2016年07月29日(金)
自然との共存考える
屋久島 海や川の生物観察
(写図説明)海から100メートルほどしか離れていない川で、淡水にすむ生き物を探す隊員ら=28日、鹿児島県屋久島町
【屋久島で出嶋佳】「沖縄こども環境調査隊2016」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の隊員10人は28日、調査地の鹿児島県屋久島で海と川の生き物を観察。山にも入り、自然と人との共存を考えた。
春田浜の潮だまりでギンポなど海の生き物を見つけた隊員らは、すぐ隣の川でヨシノボリなど淡水の生物を発見。ガイドによると、海から数十メートルで川の生き物が見られるのは屋久島ならではという。川のない宮古島に住む親泊千明さん(平良中2年)は「海と川のつながりがよく分かった」。西原和夏さん(真和志小6年)は「短い距離ですむ生き物が違うのが不思議」と疑問を持った。
ヤクスギなどが残る白谷雲水峡では、観光客が持ち込んだ病気で地域からシカがいなくなったことをガイドに聞いた。加蘭太一さん(開邦中1年)は「固有の生き物がいなくなりそう」と不安げに話した。
2016年07月28日(木)
見て触れて 屋久島を満喫
(写図説明)熱した石で湯を沸かす「トンボレ」を囲む隊員たちと、一湊小学校の児童=27日、鹿児島県屋久島町 【屋久島で出嶋佳】「沖縄こども環境調査隊2016」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)で、鹿児島県屋久島に滞在中の隊員ら10人は27日、町立一湊小学校の5、6年生6人と交流した。
子どもたちは、一湊地区の海でシュノーケリングを体験。砂に触った上原蓬さん(大宜味小5年)は「沖縄よりも粒が大きく、黒っぽい」と興味を持った様子。インストラクターから「サンゴは点在する程度」「クマノミは1種類しかいない」など、観察した生き物について説明を受けた。
沖縄にもいる魚を見つけた瀬底蘭さん(北中城中1年)は「海でつながっているのを実感した」と話した。
吉田地区では疲労回復や切り傷などの治癒に使われていた、焼き石で湯を沸かす「トンボレ」に入るなど地元の文化にも触れた。知花峻輝さん(宜野湾中2年)は「めっちゃ気持ちよかった。沖縄にもほしい」と声を弾ませた。
2016年07月27日(水)
屋久島の自然に感激
こども環境調査隊スタート
(写図説明)屋久島環境文化村センターのスタッフ(右)から、屋久島の概要を聞く隊員たち=26日、鹿児島県屋久島町 【屋久島で出嶋佳祐】県内の小中学生が自然環境について学ぶ「沖縄こども環境調査隊2016」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)が26日、鹿児島県屋久島で始まった。
10人の隊員は同日午後、屋久島の宮之浦港に着くと「山がすごい」と海に迫る険しい山々の風景に驚いた。稲福優衣さん(港川中1年)は「迫力がある。沖縄の木より背が高いし、種類も違う」と何枚も写真を撮っていた。
屋久島環境文化村センターでは、映像や展示で島の概要を学んだ。標高によって、亜熱帯から亜寒帯まで気候帯があることを聞いた新垣鈴菜さん(上山中3年)は「日本が一つの島にぎゅっと凝縮されているみたい」と話した。
2016年7月13日(水)
本部町でウミガメ放流
県内外から369人参加
(写図説明)標識を付けたウミガメを放流する参加者ら=10日、本部町・エメラルドビーチ
本部町の海洋博公園は10日、「ウミガメ放流会」を同公園内のエメラルドビーチで開いた。県内外から369人が参加した。
放流されたのは、海洋博公園内のウミガメ館で生まれたアカウミガメとアオウミガメでいずれも67匹。生存率を高めるため、1年ほど飼育されてきた。
回遊経路などを調査するため、カメの前肢には識別番号が記されたステンレス製の標識が装着されている。過去には同公園から放流されたカメが、アメリカ西海岸で見つかった例もある。
飼育プログラムに参加してきた仲原芽依さん(9)=上本部小4年=は「放流するのは寂しい。掃除して住みやすい海にしておくので、また戻ってきてほしい」と期待を込めた。
沖縄こども環境調査隊2016(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の隊員9人も放流会を見学。ウミガメの生態についても学んだ。
2016年7月3日(月)
隊員10人に認定証
26~30日 屋久島を調査
(写図説明)認定証を受け取った沖縄こども環境調査隊2016の隊員ら=2日、那覇市・沖縄タイムス社
沖縄こども環境調査隊2016(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の隊員に選ばれた小中学生10人の認証式と研修会が2日、那覇市の沖縄タイムス社であり、一人一人に認定証が手渡された。
隊員は26~30日に鹿児島県の屋久島を訪ね、豊かな自然を視察、調査するほか、県内各地で事前学習し、活動を通して学んだことをシンポジウムで発表する。
出席した大宜味小5年の上原蓬さんは「海が大好きなので、海のことをいっぱい学びたい」、宜野湾中2年の知花峻輝さんは「沖縄と屋久島の生き物の違いを知りたい」と抱負を話した。
研修会では、昨年参加した隊員からアドバイスを受けた。
環境調査隊の隊員になって、環境問題を一緒に考えよう。応募お待ちしています。
下記より、募集要項がダウンロードできます。
2016沖縄こども環境調査隊 隊員募集要項
主催 沖縄タイムス社
共催 一般財団法人 沖縄美ら島財団
後援 内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、沖縄県教育委員会、環境省那覇自然環境事務所、NHK沖縄放送局、琉球放送、琉球朝日放送