2016年08月31日(水)
美ら島守る エコ企業
協賛各社を突撃取材!

 県内のこどもたちが環境について学び考える「沖縄こども環境調査隊2016」(主催・沖縄タイムス社、共催・一般財団法人沖縄美ら島財団)の協賛企業視察が8月に行われました。10人の隊員は企業3社に足を運んで企業独自の環境保護活動を取材しました。協賛企業は沖縄海邦銀行、環境ソリューション、沖縄コカ・コーラボトリング、我那覇畜産。(順不同)

環境ソリューション
【環】 リサイクルを推進


 産業廃棄物の収集・運搬や中間処理作業を行う環境ソリューション(沖縄市、仲西昇社長)は「環境に優しい社会の実現」をめざし、廃棄物と二酸化炭素の削減、循環型社会を目指したリサイクルに取り組んでいます。同社は特定有害産業廃棄物を除くほとんどの廃棄物を扱っています。

 8月20日に同社を訪ねた調査隊に対し、仲西社長がごみ処理のシステムについて講義。炉内温度が800度以上の高温になることや、ダイオキシンなどの有害物質が再合成しないようにするための温度調整機能などを説明しました。

 調査隊からは「機械の燃料は何ですか」「一日当たりの処理量は?」など質問が相次ぎました。仲西社長はていねいに答えた上で「環境保全のための企業の努力を知ってよりよい環境をつくってほしい」と呼び掛けました。

 講義後は吉里光広工場長が施設を案内。ごみクレーンによるごみの焼却炉投入を見学しました。隊員はメモを取ったり、写真に記録するなどしていました。

 また、ごみ処理中に発生する廃熱を再利用するための「トランスヒートコンテナ」も見学。最後に仲西社長からトランスヒートコンテナで使われる潜熱蓄熱材(PCM)のサンプルをもらい、感触を確かめていました。

 栗山詩帆さん(神森中1年)は「こんなに多くのごみが発生していることに驚きました。家庭ごみを少なくするよう意識していきたいです。廃熱までも再利用するなんて、すごくいい考えだと思います」と話しました。

環境ソリューション.jpg

(写図説明)ごみが投入される焼却炉を見学する調査隊
=8月20日、沖縄市の環境ソリューション



PICKH20160831_A0023000102S00008.jpg

(写図説明)焼却施設を背に仲西昇社長(後列中央)らと記念撮影

沖縄コカ・コーラボトリング
【水】 製造工程で再利用


 沖縄コカ・コーラボトリング(浦添市、高橋俊夫社長)は「製品に使った量と同じ量の水を自然に還元する」ことを目標に水資源の保護と活用に取り組んでいます。2006年から、やんばるの森で植樹・育樹を通して水資源の大切さを知る「森に学ぼうプロジェクト」を継続。さらに、ヤンバルクイナの保護活動を応援する自動販売機も設置し、売り上げの一部を寄付しています。

 調査隊は8月22日、同社を訪ね、同社製造部部長の渡邉一章さんの案内で工場を取材しました。徹底した品質管理のため、製造場に入る前には全員が手洗い、うがいをし、帽子と上着を着用、体温チェックも受けました。数え切れないほどの飲料水を次々と作り上げていく製造工程に調査隊は目を丸くしていました。

 浦添工場では1リットルの製品を完成するために使用する水量は約3・7リットルのため、洗浄工程における水の使用量管理を徹底。洗浄などで使用した水を再利用施設で浄化し、可能な限り再利用する循環システムを実現しています。容器洗浄器や冷却装置に使用した水は3つのフィルターで浄化するなどして、効率的に再利用されています。

 ウィンフィールド・ハリー・ウィリアム・フィフス君(沖縄カトリック小5年)は「品質を機械だけでなく人もチェックしているところに驚きました。再生水を利用するなど一本一本に多くのエコの努力がかかわっていることが分かったので、これからは大切に飲んでいきたい」と話しました。


PICKH20160831_A0023000102S00009.jpg

(写図説明)ドリンクの製造工程について渡邉一章さん(右)から説明を受けました
=8月22日、沖縄コカ・コーラボトリング社浦添工場





PICKH20160831_A0023000102S00010.jpg

(写図説明)渡邉さん(左)、CSR推進課の上原勝巳さん(右)らに対応していただきました


沖縄海邦銀行
【省】 全員で省エネ意識

 沖縄海邦銀行(那覇市、上地英由頭取)は、沖縄戦で失われた緑を復活させるために1974年から植樹やその活動資金を造成する「みどりの運動」を続けるなど、地域に根差した金融機関として地域の環境保全に尽力しています。

 調査隊は8月16日、昨年12月に新築移転した同行本店を訪ね、総合企画部経営企画担当業務役の知念達夫さんによる講義を受けました。

 知念さんは「みどりの運動」のほかにも、環境に対する取り組みとしてサンゴの保護を目的とした「チーム美らサンゴ活動」などの取り組みを紹介しました。

 また新本店ビルが太陽光発電設備、LED照明、全熱交換換気システムなどの採用、再生水の利用、安定した地中熱の活用(クールビット)などにより、ビル全体で省エネに取り組んでいると報告。さらに日ごと、月ごと、フロアごとに電気使用量が分かるモニターを各フロアに設置し、全行員に節電の意識を促していると説明しました。

 調査隊は知念さんの案内で新ビル内を見学。省エネ機能を実際に見て驚きの声を上げました。また、同行のイメージキャラクター「かいホーくん」と記念撮影するなどして、ふれあいました。

 新垣鈴菜さん(上山中3年)は「民間企業は利益を追求するだけだと思っていましたが、電気代を節約することなどで環境保護と利益のバランスを取っていることに驚きました」と話しました。

PICKH20160831_A0023000102S00005.jpg

    (写図説明)知念達夫さん(手前)が沖縄海邦銀行の環境保護への
取り組みについて話をしました=8月16日、同行新本店ビル



PICKH20160831_A0023000102S00006.jpg

(写図説明)沖縄海邦銀行のキャラクター「かいホーくん」の登場にびっくり