2014年09月08日(土)
サンゴ保護 課題を報告
9人が発表
ことし8月、石垣島でサンゴの生態系などを調べてきた小中学生9人による「沖縄こども環境調査隊」の第6回シンポジウム(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)が7日、浦添市のてだこホール市民交流室であった。実際に海に潜った9人は、パワーポイントを使ってサンゴの生態や保護について調べたことを発表し、疑問点や課題を指摘した。保護者や関係者ら100人余りが聞き入った。(24日付紙面で特集)
名嘉栞里さん(泊小5年)、幸地佑さん(東風平中3年)は「サンゴを食べるオニヒトデを一方的に悪だとは言えない」との見方を提示。その理由に、オニヒトデから抽出される成分が難病の新薬になる可能性があることや、害虫を寄せ付けない肥料になることを挙げた。
田渕鈴夏さん(真喜良小6年)、金城凪沙さん(西崎中3年)、外間ちひろさん(与那原中3年)らは赤土流出問題について調べ「赤土によって海が濁るとサンゴの光合成に影響が出て死滅する」と報告。畑に月桃樹を植え根を張らせることで赤土流出を防げるとして「山と海の環境はつながっている」とまとめた。
竹尾慎太郎さん(石田中1年)、仲宗根由紀さん(読谷中3年)はサンゴを食べる生き物と守る生き物を紹介し「サンゴは生物にとって大事なすみか」と説明した。上原拓也さん(小禄中3年)、小村美亜さん(琉大付属中3年)はサンゴの養殖について報告。養殖技術を認めながらも「サンゴが本来とは違う形に変形するのでは? 品種改良も出てくるのではないか?」などと疑問点も挙げた。
登壇した9人は「サンゴを守る活動を継続し、意識と行動を少しずつ変えていく」と宣言した。
環境保全へのメッセージを宣言する調査隊のメンバー=7日午後、浦添市てだこホール市民交流室
2014年09月06日(土)
サンゴテーマにシンポ あす浦添
県内の子どもたちが環境について考える「沖縄こども環境調査隊」の「シンポジウム地球の声を伝えよう」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)が7日午後2時から、浦添市のてだこホールで開催される。入場無料。
沖縄本島や石垣島で「サンゴ」をテーマに学んだ隊員9人が視察、調査の成果を発表する。また、石垣島で自然観察ガイドをしている「エコツアーふくみみ」代表の大堀健司さんが「サンゴ礁ってホントに守らなければいけないの? 環境教育的視点からのサンゴ礁保全」と題し、基調講演する。
2014年08月31日(日)
輝くサンゴ 未来へ 石垣島の自然に感動
米原ビーチでシュノーケリングし、海の生態系を調査する隊員たち=5日 子どもたちが環境について考える「沖縄こども環境調査隊2014」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の隊員9人が4日から7日まで、石垣島を視察しました。シュノーケリングでサンゴを観察したほか、赤土が流れ出ることで、海に悪影響を与えている現状などを学びました。豊かな自然に感動した隊員たちは環境を守り、未来につなげることを誓い合いました。
真っ白な砂浜と真っ青な空、海。石垣市の米原ビーチでシュノーケリングに挑戦した隊員たちを出迎えてくれたのは、イノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)に生息する生き物たちでした。
海の中では、ミドリイシの群生や大きなハマサンゴのほか、サンゴを食べるブダイや小魚の群れなどを観察し、サンゴと共生する生き物を確認することができました。
海と山の関係を知ろうと、吹通川(ふきとうがわ)上流を目指して岩場を上る=5日
サンゴを観察した隊員たちは、荒川上流の滝まで上りました。荒川の水は、米原ビーチに流れていきます。ガイドを務めた、海の環境保全に取り組む笠原利香さんは「山の環境が破壊されると、栄養のない水が海に流れ込み、サンゴに悪影響を与えてしまう」と山と海の密接な関係を説明し、「沖縄本島でも同じ。海やサンゴを大事にする気持ちと同じように、山の環境保全にも興味を持ってほしい」と呼び掛けました。
美しいサンゴに感動した隊員たちですが、人間によってサンゴが苦しめられている現実も学びました。
石垣島では、畑や工事現場などから赤土が海に流れ出ることが問題になっています。赤土が流れ出ると、サンゴの生育を助ける褐虫藻が光合成することができなくなってしまいます。また、大量の赤土が積もると、サンゴが窒息してしまうこともあります。
隊員たちは白保の海岸で、海水と砂にどのくらいの赤土が混じっているか調べてみました。すると、透明に見えた海水にも、場所によってはサンゴの生息が難しいといわれるくらいの赤土が混じっていることが分かりました。
わくわくサンゴ石垣島センターでサンゴの移植に挑戦しました=6日赤土が流れ出るのを防ぐため、石垣島では畑に月桃を植える取り組みが行われています。NPO法人夏花の多宇辰雄理事は、月桃の根が張ることで赤土の流出を防ぐと言います。また、成長すると葉をお茶にすることもできます。
多宇さんは「月桃は生命力も強く、管理しやすい植物で石垣島の土壌にも合う。月桃の植樹は、サンゴを守るために大切な活動」と説明しました。隊員たちは額に汗を浮かべながら、植樹しました。
2014年08月25日(月)
こども環境調査隊2014 シンポジウム
9月7日(日)午後2時~ てだこホール市民交流室 沖縄タイムス社は「沖縄こども環境調査隊2014シンポジウム~地球の声を伝えよう」を開催します。県内学習、石垣島視察を終えた隊員達が学んだこと、感じたことを発信し、環境問題について考える場とします。(入場無料)
▽名称 沖縄こども環境調査隊2014シンポジウム 地球の声を伝えよう~サンゴの生態と海の自然環境~
▽日時 9月7日(日)午後2~4時
▽場所 てだこホール市民交流室
▽定員 200人(事前申込制、先着順)
▽基調講演 「サンゴ礁ってホントに守らなければいけないの?~環境教育視点からのサンゴ礁保全~」大堀健司氏(エコツアーふくみみ代表)
▽隊員調査報告(沖縄県内の小・中学生9人)、環境宣言
▽申し込み・問い合わせ 沖縄タイムス社広告局企画推進部。電話098(860)3573(平日午前10時~午後6時)
主催 沖縄タイムス社
共催 一般財団法人沖縄美ら島財団
協賛 沖縄海邦銀行、環境ソリューション、沖縄コカ・コーラボトリング、我那覇畜産
2014年08月08日(金)
サンゴの生態学ぶ こども環境調査隊最終日
サンゴを中心にした環境調査を振り返る子どもたち=石垣市八島町、石垣自然保護官事務所 【石垣】石垣島でサンゴの環境調査を続けていた「沖縄こども環境調査隊」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)は7日、最終日を迎え、小中学生9人が4日間の調査を振り返った。
石垣市八島町の「石垣自然保護官事務所」では、環境省の職員からサンゴ生息数の増減や外来種が生態系に与える影響などについて聞き取った。
同事務所の資料室で、自然科学の本や専門誌を読んだ子どもたちはシンポジウムで発表するテーマを絞り込んだ。
赤土問題を選んだ外間ちひろさん(与那原中3年)は「月桃を植えて赤土流出を防ぐ取り組みが印象に残った。海と山と人がつながり、自然があるということを多くの人に伝えたい」と語った。
金城凪沙(なぎさ)さん(西崎中3年)は「きれいに見える海でも詳しく調べると汚れていた。友達でも関心がある人は少ないので、サンゴ保全に興味が出る発表にしたい」と力を込めた。
子どもたちは9月7日、浦添市のてだこホールで研究成果を発表する。
2014年08月07日(木)
サンゴ移植と川上りに挑戦
滝つぼに飛び込み、「冷たい」と大はしゃぎする調査隊のメンバー=石垣市、荒川上流
【石垣】石垣島で環境調査に取り組む「沖縄こども環境調査隊」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の小中学生9人は6日、養殖サンゴの植え付けと川上りを体験した。
養殖サンゴを育てている「わくわくサンゴ石垣島センター」では、八重山漁協などが取り組むサンゴ増殖事業を聞き取り、小さなサンゴを専用土台に接着させ、水槽に移植した。
午後は海への栄養分の供給など、サンゴの成育に関係の深い山と川の仕組みを学ぼうと、荒川の川上りに挑戦。テナガエビや川沿いでは天然記念物のセマルハコガメも目撃し、滝つぼでは川に飛び込み、冷たい水で疲れを癒やしていた。
幸地佑君(東風平中3年)は「川沿いには溶岩が固まった花こう岩が多かったので、島々ができた歴史を感じた」と納得の様子。小村美亜さん(琉大付属中3年)は「養殖サンゴが無事に育って、私の孫の世代まで大きくなってほしい」と願いを託していた。
2014年08月06日(木)
サンゴ礁の生物 リーフ内で観察
シュノーケルでサンゴ礁の生き物を観察する探検隊のメンバー=石垣市桴海、米原ビーチ 【石垣】「沖縄こども環境調査隊2014」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の小中学生9人は5日、石垣市の米原ビーチでシュノーケリングに挑戦し、サンゴ礁の生き物を観察した。
石垣島調査2日目はインストラクターの案内で、サンゴが生息するリーフ内を泳いで巡った。ミドリイシの群生や大きなハマサンゴを観察し、サンゴを食べるブダイや小魚の群れを水中写真で記録していた。
竹尾慎太郎君(石田中1年)は「サンゴは大きくて、種類も多かった。沖縄にきれいな海を増やしたい」と語った。
子どもたちはマングローブ河口でも生物を観察。地元石垣から参加の田渕鈴夏さん(真喜良小6年)は父親がダイビングに携わるとあって、「島の生き物を大切にしたい」と決意を込めていた。
2014年07月31日(木)
サンゴ植えつけ体験
恩納 隊員「魚のすみかに」
サンゴの植え付けの方法を学ぶ隊員ら=30日午後2時20分ごろ、恩納村恩納・恩納漁港 県内の子どもたちが、環境について学ぶ「沖縄こども環境調査隊2014」(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の隊員8人が30日、恩納村でサンゴの生態について学び、シュノーケリングを体験した。
恩納漁港内にあるサンゴ養殖場では、養殖の方法を学んだ後に、実際に植えつけに挑戦。熱や空気などのストレスをあまり与えないように注意しながら、サンゴの枝をプレートに針金で固定していた。
小村美亜さん(琉球大学付属中3年)は「植えたサンゴがたくさんの魚のすみかになってほしい」と期待。上原拓也君(小禄中3年)は「サンゴは岩みたいにゴツゴツしていた。沖縄で一番大きなサンゴになってほしい」と願いを込めた。
隊員たちは8月4日から3泊4日の日程で石垣島を訪れ、サンゴや海の生態について学ぶ。
2014年07月29日(火)
イノーの生き物 隊員8人ら観察
イノーの生き物を観察する参加者たち=27日、本部町備瀬 沖縄こども環境調査隊2014(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の「夏休み親子学習会」が27日、本部町の備瀬崎などで開かれた=写真。隊員8人を含む、約60人が参加。サンゴ礁に囲まれた浅い海(イノー)に生息する生き物を観察した。
海の危険な生き物や、サンゴの役割などを同財団の永田俊輔さんが説明。イノーでは、子どもたちがカニや魚、サンゴの仲間などを見つけ、歓声を上げた。
宮里紗英さん(琉大付属小4年)は「身近な海にも危険な生き物がいることに驚いた」と話し、海の生き物が好きという城間太吾君(北中城小4年)は「(有孔虫の)ホシスナやタイヨウノスナなど、初めて見る生き物がいて楽しかった」と目を輝かせた。
隊員は8月4日から3泊4日で石垣島を視察。サンゴの生態を中心に環境問題を学ぶ。9月にシンポジウムで調査成果を報告する。
2014年07月13日(日)
サンゴ調査 8人を認定
8月上旬 石垣島へ
認定証を受け取り、環境調査に意欲を見せる隊員たち=12日、那覇市久茂地・タイムスビル 沖縄こども環境調査隊2014(主催・沖縄タイムス社、共催・沖縄美ら島財団)の認証式と研修会が12日、那覇市久茂地のタイムスビルであった。認定証を受け取った隊員8人は、8月の石垣島調査に向け「海の生態系を学び、考えたい」と意気込んだ。
研修会では昨年、鹿児島県奄美大島を視察した先輩隊員が調査のこつをアドバイス。「自分で見て聞くことで理解が深まり、自分の言葉で話せるようになる」などとエールを送った。金城凪沙さん(西崎中3年)は「自然を学び、自分で考えて行動するようになる」、仲宗根由紀さん(読谷中3年)は「サンゴの実態を学び、大勢の人に伝えたい」と意欲を示した。
隊員はサンゴ養殖場見学やシュノーケル実習、イノー観察などの事前学習を重ね、8月4日から3泊4日で石垣島を視察。サンゴの生態を中心にした環境問題について学習する。9月には、シンポジウムで調査の成果を報告する。
環境調査隊の隊員になって、環境問題を一緒に考えよう。応募お待ちしています。
下記より、募集要項がダウンロードできます。
2014沖縄こども環境調査隊 隊員募集要項.pdf
主催 沖縄タイムス社
共催 一般財団法人 沖縄美ら島財団
後援 内閣府沖縄総合事務局、沖縄県、沖縄県教育委員会、環境省那覇自然環境事務所、NHK沖縄放送局、琉球放送、琉球朝日放送