川に生き物 いっぱい!!
親子で探検 多様性を実感

 子(こ)どもたちが生(い)き物(もの)や自然環境(しぜんかんきょう)について学(まな)ぶ「夏休(なつやす)み親子学習会(おやこがくしゅうかい)~沖縄(おきなわ)の川(かわ)の生(い)き物(もの)について学(まな)ぼう~」(主催(しゅさい)・沖縄(おきなわ)タイムス社(しゃ)、共催(きょうさい)・沖縄美(おきなわちゅ)ら島財団(しまざいだん))が、7月(がつ)19日(にち)に名護市(なごし)でありました。参加(さんか)した親子(おやこ)は専門家(せんもんか)の講演(こうえん)を聞(き)いた後(あと)、実際(じっさい)に川(かわ)へ出(で)て生(い)き物(もの)を観察(かんさつ)しました。

 子(こ)どもたちは、環境(かんきょう)が違(ちが)えばそこに住(す)む生(い)き物(もの)も変(か)わることを学(まな)び、沖縄(おきなわ)の自然(しぜん)の多様性(たようせい)を感(かん)じ取(と)りました。限(かぎ)られた地域(ちいき)にだけに生息(せいそく)する「固有種(こゆうしゅ)」についても理解(りかい)を深(ふか)めました。

 (文(ぶん)・知花徳和(ちばなのりかず)、写真(しゃしん)・川満雅也(かわみつまさや))

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汀間川河口の生き物を網ですくうこどもたち=7月19日、名護市三原

夏休み やんばるの自然体験



  学習会(がくしゅうかい)は「こども環境調査隊(かんきょうちょうさたい)2015」の特別企画(とくべつきかく)として実施(じっし)され、調査隊員(ちょうさたいいん)8人(にん)を含(ふく)む親子約(おやこやく)50人(にん)が参加(さんか)しました。亜熱帯(あねったい)の気候(きこう)に加(くわ)え、川(かわ)の長(なが)さが本土(ほんど)に比(くら)べ短(みじか)いことなど、独自(どくじ)の自然環境(しぜんかんきょう)を持った沖縄(おきなわ)には、多(おお)くの生(い)き物(もの)がいます。

 しかし、一度雨(いちどあめ)が降(ふ)るとやんばるの山々(やまやま)から赤土(あかつち)が海(うみ)まですぐに流(なが)れ出(で)てしまい、サンゴの生育(せいいく)を助(たす)ける褐虫藻(かっちゅうそう)が光合成(こうごうせい)を行(おこな)えなくなるという問題(もんだい)もあります。
 
 講師(こうし)の名護博物館学芸員(なごはくぶつかんがくげいいん)・村田尚史(むらたなおふみ)(32)さんは「環境(かんきょう)の多様性(たようせい)は生物(せいぶつ)の多様性(たようせい)につながることを知(し)ってほしい」と呼(よ)びかけました。
 
 汀間川(ていまがわ)の河口(かこう)で実際(じっさい)に川(かわ)の生物(せいぶつ)を観察(かんさつ)した子(こ)どもたちは、テッポウエビやミナミトビハゼ、コメツキガニ、イッセンヨウジなど、たくさんの種類(しゅるい)を確認(かくにん)できました。

 みんな膝(ひざ)まで水(みず)にぬれながら、生(い)き物(もの)の臭(にお)いを嗅(か)ぎ、感触(かんしょく)を確(たし)かめ、色(いろ)を確認(かくにん)していました。マングローブが生(は)えている部分(ぶぶん)や川(かわ)の瀬(せ)など、同(おな)じ川(かわ)でも土(つち)の硬(かた)さなどによって生(い)き物(もの)の種類(しゅるい)が違(ちが)うことに気(き)がつきました。

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河口で生き物の説明を受ける参加者=7月19日、名護市三原

固有種・赤土の問題 理解深める

 座安小学校(ざやすしょうがっこう)3年(ねん)の高村葉(たかむらは)の子(こ)さんは「マングローブの下(した)でオカヤドカリをみつけた。

 岩(いわ)の下(した)をのぞくと、貝(かい)の卵(たまご)が張(は)り付(つ)いていた」と驚(おどろ)いた様子(ようす)でした。美東小学校(びとうしょうがっこう)2年(ねん)の佐久川政志君(さくがわまさしくん)は「石(いし)の間(あいだ)からミナミトビハゼが急(きゅう)に出(で)てきて飛(と)び跳(は)ねていた」と笑顔(えがお)で話(はな)しました。

 美里中(みさとちゅう)1年(ねん)の當銘舞子(とうめまいこ)さんは「学習会(がくしゅうかい)の途中(とちゅう)で雨(あめ)が降(ふ)り、実際(じっさい)に赤土(あかつち)が海(うみ)に流(なが)れる様子(ようす)をみて驚(おどろ)いた。

 対策(たいさく)を考(かんが)えたい」と感想(かんそう)を語(かた)りました。安岡中(やすおかちゅう)1年(ねん)の名嘉山栞(なかやましおり)さんは「多様(たよう)な生物(せいぶつ)を観察(かんさつ)していると本土(ほんど)と沖縄(おきなわ)の違(ちが)いを実感(じっかん)できた」と納得(なっとく)した様子(ようす)でした。

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夏休み親子学習会でやんばるの固有種について講話した名護博物館の村田尚史学芸員
=7月19日、名護市嘉陽、美ら島自然学校