2017年08月31日(木)
美ら島 守る 企業の力
隊員8人がエコ企業を突撃取材!

 県内の子どもたちが環境について調べ学ぶ「沖縄こども環境調査隊2017」(主催・沖縄タイムス社、共催・一般財団法人沖縄美ら島財団)の協賛企業視察が8月に行われました。

 8人の隊員は県内の企業・団体4者に体当たり取材し、それぞれの環境保護の取り組みを学習しました。協賛企業・団体は沖縄海邦銀行、環境ソリューション、沖縄コカ・コーラボトリング、沖縄県自動車整備振興会(順不同)。

環境ソリューション

【環】 焼却時廃熱を再利用

 産業廃棄物の収集・運搬や中間処理作業を行う環境ソリューション(沖縄市)は「環境に優しい社会の実現」を目指し、廃棄物と二酸化炭素の削減、循環型社会に向けたサイクルに取り組んでいます。

 12日に同社を訪ねた調査隊に対し、吉里光広工場長がごみ焼却処理のシステムについて説明。ダイオキシンなどの有害物質が再合成しないようにするための温度調整機能などを紹介しました。

 吉里工場長は「企業も環境保全のために努力しています。みなさんもいろいろ学んで将来よりよい環境をつくってください」と語りかけました。

 説明後は焼却炉や破砕、廃水処理施設などを見学。ごみ処理中に発生する廃熱を再利用するための「トランスヒートコンテナ」も見学しました。

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(写図説明)(上)環境ソリューションの吉里光広工場長(左)から廃熱の再利用について
説明を受ける隊員=12日、沖縄市の環境ソリューション

 廃熱は宜野座村のタラソテラピー(海洋療法)施設「かりゆしカンナタラソラグーナ」に運ばれ再利用されています。

 仲座空音さん(琉大付属中2年)は「地下水を効率的に利用していることや汚水を絶対に敷地外に出さないようにしている努力を知りました」。

 奥平柊君(球陽中1年)は「焼却時の廃熱を再利用する考えに驚きました。とてもいい考えだと思います」と話しました。

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(写図説明)(右)焼却炉を背に記念撮影

沖縄海邦銀行

【緑】 全館節電 植樹にも力

 沖縄海邦銀行(那覇市、上地英由頭取)は、沖縄戦で失われた緑を復活させるため、1974年から県内で植樹やその活動資金を造成する「みどりの運動」「みどりの講演会」を続けています。

 8日に同行を訪ねた調査隊に、総合企画部経営企画担当業務役の知念達夫さんが、みどりの運動をはじめ、サンゴの植え付けや保全啓発を行う「チーム美らサンゴ」の活動内容を紹介しました。

 また、本店ビル内の電気使用量を全行員が一目で分かるようにしたモニターを各フロアに設置し、全社挙げて省エネに取り組んでいることも説明しました。

 知念さんは「無駄な電気を使わないなど、日常的なことから環境保全につながります」と一人一人がエコ意識を持つことの大切さを強調しました。

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(写図説明)(上)沖縄海邦銀行の知念達夫さん(左手前)から同行の
省エネの取り組みについて聞く調査隊=8日、沖縄海邦銀行本店



 同日は同行のSNSキャラクター「かいホー君」の誕生祝いが開かれ、隊員らも行員さんらと一緒にお祝いしました。

 名嘉山桂さん(安岡中1年)は「銀行という企業が森やサンゴを守る活動をしていることに驚きました」と話しました。

 佐野一斗君(当山小6年)は「クーラーを一元管理しているところがすごい。銀行のイメージが変わりました」と感心していました。

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(写図説明)(右)かいホー君の誕生日を祝いました

沖縄県自動車整備振興会

【車】 次世代車へ 整備点検

 沖縄県自動車整備振興会(浦添市、桃原嵩会長)は、自動車の適正な点検・整備を通じて、くるま社会の安全確保、公害防止、地球環境の保全、自動車整備事業の健全な運営に貢献するための事業などを行っています。

 隊員は15日に視察。同会専務理事の松山功さんが陸運事務所検査場などを案内しました。

 松山さんは、県内に約110万台の自動車が走っているとし「各自動車の整備点検をしっかり行うことが省エネにつながり環境を向上させます」と話しました。隊員らは効率的に進む検査作業に目を丸くしていました。

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(写図説明)(右)同会のキャラクター「てんけんくん」と記念撮影

 また、同会教育指導部教育課長の仲程智武さんが、ハイブリッド自動車(HV)や電気自動車(EV)など次世代のクリーンエネルギー車について説明。

 隊員らは自転車をこいで最新のLEDと旧型のハロゲンランプのヘッドライトを点灯させ、光具合を比較する実験にも挑戦しました。

 備瀬哲平君(安慶田中2年)は「ペダルの重さの違いでLEDと旧型ランプのエネルギー消費量の違いが分かりました」と汗をぬぐいました。

 赤嶺貴一郎君(城北小6年)は「LEDはちょっと高いけど長い目で見て使っていきたいです」と話しました。

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(写図説明)(上)自転車をこいで自動車のヘッドライトをつける実験で
省エネを体感しました=15日、浦添市の沖縄県自動車整備振興会

沖縄コカ・コーラボトリング

【水】 CO2削減 水資源守る

 沖縄コカ・コーラボトリング(浦添市、城英俊社長)は水資源の保護に取り組んでいます。2006年から、やんばるの森で植樹・育樹を通して水資源の大切さを知る「森に学ぼうプロジェクト」を継続。ヤンバルクイナの保護活動を応援する自動販売機も設置し、売り上げの一部を寄付しています。

 調査隊は10日、同社を訪れ、同社製造部部長の渡邉一章さんの案内で工場内を取材しました。目の前を次々と流れていく数え切れない飲料水に隊員は目を丸くしていました。

 渡邉さんは同工場が、天然ガスを主燃料に電気と熱を供給する「コージェネレーションシステム(CGS)」を導入し、二酸化炭素排出量の大幅な削減を実現していると説明。

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(写図説明)(上)沖縄コカ・コーラボトリングの渡邉一章さん(左)の
説明で工場を見学しました=10日、沖縄コカ・コーラボトリング社浦添工場

 「国際規格ISOより厳しいコカ・コーラ独自の基準KORE(コカ・コーラ オペレーティング リクワイアメント)に沿って、環境負荷の軽減に取り組んでいます」と話しました。

 福永梢子さん(米須小6年)は「CGSでエネルギーを生みだし環境をよくするという企業の努力に感心しました」と話しました。

 國井雅姫さん(今帰仁小5年)は「ペットボトルを小さくして運ぶことでトラックの排気ガスを減らすアイデアはすごいです」と驚いていました。

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(写図説明)(右)製造部フロアで記念撮影