22人 名護岳わくわく散策
辺土名高元校長 安座間さんが講師

 県内(けんない)の児童(じどう)・生徒(せいと)が環境(かんきょう)について学(まな)ぶ「沖縄(おきなわ)こども環境調査隊(かんきょうちょうさたい)2017~地球(ちきゅう)の声(こえ)を伝(つた)えよう」(主催(しゅさい)・沖縄(おきなわ)タイムス社(しゃ)、共催(きょうさい)・沖縄美(おきなわちゅ)ら島財団(しまざいだん))を前(まえ)に、「親子学習会(おやこがくしゅうかい)」が16日(にち)、名護市(なごし)で開(ひら)かれました。

 調査隊(ちょうさたい)の隊員(たいいん)(小学(しょうがく)5年生(ねんせい)から中学(ちゅうがく)2年生(ねんせい))8人(にん)に、その親(おや)やきょうだいを合(あ)わせて22人(にん)が参加(さんか)。

家族(かぞく)ぐるみで沖縄(おきなわ)の自然(しぜん)について学(まな)び、チョウを通(とお)して身近(みぢか)な生(い)き物(もの)について考(かんが)えました。

 会場(かいじょう)は名護青少年(なごせいしょうねん)の家(いえ)。辺土名高校元校長(へんとなこうこうもとこうちょう)の安座間安史(あざまやすふみ)さんが「奇跡(きせき)の島(しま)、沖縄(おきなわ)・ヤンバルの自然環境(しぜんかんきょう)の特性(とくせい)」と題(だい)して講義(こうぎ)をしました。

 沖縄(おきなわ)の島々(しまじま)の位置関係(いちかんけい)から、黒潮(くろしお)という海流(かいりゅう)の話(はなし)へ。

 そして黒潮(くろしお)が気温(きおん)に与(あた)える影響(えいきょう)やサンゴの話(はなし)、島(しま)を形成(けいせい)する地盤(じばん)の話(はなし)、そしてそこに暮(く)らす生(い)き物(もの)たちの話題(わだい)へと話(はなし)はどんどん広(ひろ)がっていきますが、参加者(さんかしゃ)は熱心(ねっしん)に聞(き)き入(い)っています。

 安座間(あざま)さんは「高校生向(こうこうせいむ)けの内容(ないよう)を手直(てなお)しして説明(せつめい)したけど、よくついてきている」と感心(かんしん)していました。




 講義(こうぎ)の後(あと)は安座間(あざま)さんと外(そと)に出(で)て自然観察会(しぜんかんさつかい)です。この日(ひ)は家族(かぞく)でチームになってチョウを探(さが)す「バタフライウオッチングゲーム」をしました。PICKH20170723_W0001000103G00007.jpg(写図説明)緑豊かな構内を回りながら講師の安座間安史さん(右)の説明を聞きます=16日、名護青少年の家

 捕(つか)まえたチョウは種類(しゅるい)によってポイントが決(き)まっており、都会(とかい)では見(み)つけにくいものほど点数(てんすう)が高(たか)くなります。

 チョウは周辺(しゅうへん)の植物(しょくぶつ)と深(ふか)く関係(かんけい)しています。チョウの種類(しゅるい)を調(しら)べることで周辺(しゅうへん)の緑(みどり)の豊(ゆた)かさが判断(はんだん)できるのです。

 会場周辺(かいじょうしゅうへん)は名護岳(なごだけ)の豊(ゆた)かな自然(しぜん)に囲(かこ)まれており、参加者(さんかしゃ)は高得点(こうとくてん)を目指(めざ)し虫(むし)かごと虫取(むしと)り網(あみ)を手(て)に散策(さんさく)しています。

 外(そと)に出(で)てみると多(おお)くのチョウが舞(ま)っていました。大(おお)きさや色(いろ)、模様(もよう)も多彩(たさい)です。

PICKH20170723_W0001000103G00008.jpg(写図説明)捕らえたチョウの種類を調べる調査隊の隊員たち
 「雄(おす)と雌(めす)で羽(はね)の模様(もよう)が違(ちが)うよ」「よくみたらきれいな色(いろ)してる」。捕(つか)まえたチョウをじっくり観察(かんさつ)すると、いろいろなことが見(み)えてきます。


 それらを手(て)がかりに配布(はいふ)された識別(しきべつ)シートで種類(しゅるい)を調(しら)べたら放(はな)してあげました。「あのチョウはさっき捕(つか)まえたやつだよ」。

 慣(な)れてきたら飛(と)んでいるチョウを見(み)るだけで種類(しゅるい)がわかるようになります。





 この日(ひ)は全員(ぜんいん)でモンシロチョウやシロオビアゲハ、オオゴマダラなど合計(ごうけい)19種類(しゅるい)もチョウを見(み)つけました。

隊員(たいいん)の佐野一斗君(さのいちとくん)の弟(おとうと)、辰斗君(ときとくん)(7)は15匹(ひき)もチョウを捕(つか)まえました。
PICKH20170723_W0001000103G00006.jpg(写図説明)捕らえたキノボリトカゲに興味津々
 「虫取(むしと)りは好(す)きだから、家(いえ)に帰(かえ)ってもまた虫(むし)を探(さが)しに行(い)きたい」と楽(たの)しそうに話(はな)してくれました。


 周辺(しゅうへん)にはチョウだけでなくさまざまな生(い)き物(もの)がいました。隊員(たいいん)の赤嶺貴一郎君(あかみねきいちろうくん)の弟(おとうと)、将三郎君(しょうさぶろうくん)(6)はクモやバッタも見(み)つけました。

 一緒(いっしょ)に参加(さんか)した家族(かぞく)と「みんなで調(しら)べたから勉強(べんきょう)になった」と笑顔(えがお)です。

キノボリトカゲの子(こ)どもを見(み)つけた國井昭玖(こくいあきひさ)ちゃん(5)は隊員(たいいん)の雅姫(まさき)さんの弟(おとうと)です。

 「森(もり)の中(なか)を歩(ある)いたのがいちばん面白(おもしろ)かった」と満足(まんぞく)そう。 安座間(あざま)さんは「土地(とち)や植物(しょくぶつ)、虫(むし)など身近(みぢか)なものから、地球(ちきゅう)の歴史(れきし)の積(つ)み重(かさ)ねが読(よ)み取(と)れる」と言(い)います。

参加(さんか)したみんなは沖縄(おきなわ)の自然(しぜん)への興味(きょうみ)がさらに増(ま)したようでした。

 「沖縄子(おきなわこ)ども環境調査隊(かんきょうちょうさたい)」は25日(にち)から3泊4日で慶良間諸島(けらましょとう)の調査視察(ちょうさしさつ)を行(おこな)います。