サンゴの植え付け支援
JT沖縄支店

 社会貢献活動の一環として毎年、全国の青少年育成に関するNPO助成事業を実施しているJTグルー
プ。沖縄では今年4月、子どもたちのサンゴ植え付け体験事業などを行っているNPO法人「グローイングコーラル(与那原町、上原直代表)が助成を受けた。去る6月19日、糸満市大度海岸で、サンゴ植え付け活動があり、親子連れらが参加した。上原代表は「小さな生き物がマンション生活をしているのがサンゴ。サンゴを増やして魚やその他の生き物が増える環境を作っていきたい」と目的を説明。子どもたちは針金にサンゴを固定する方法を学んだ後、水中メガネを使ってリーフ内の岩場にサンゴを植え付けた。
こども環境調査隊員の外間睦海さんは「サンゴを守るために企業が支援し、NPOや地域の人たちが協力して取り組んでいることを初めて知った。実際に体験して感動した」と話した。同行したJT沖縄支店の
青木悟支店長は「身近に海がある沖縄ならではの取り組み。昔のすばらしい海をよみがえらせたいというNPOや地域の皆さんの思いを、次の世代へつなぐ一助になれば幸いです」と取り組みに期待した。

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JTが助成するNPO法人グローイングコーラルのサンゴ植え付け活動に参加した沖縄こども環境調査隊のメンバーと青木JT沖縄支店長(左)=6月19日、糸満市大度海岸

36年間地道な普及運動
沖縄海邦銀行

「沖縄を緑の島に緑と花で心に安らぎを!」をキャッチフレーズにスタートした沖縄海邦銀行「みどりの運動」は今年年目を迎える。同運動はみどりの講演会や県緑化推進委員会への寄付、植樹活動など自然や社会環境改善を目的にした同行独自の取り組みだ。沖縄こども環境調査隊のメンバーは去る6月日、那覇市の同本店に島尻朝男総合企画部地域・環境貢献室業務役を訪ね、その活動内容などを聞いた。
島尻業務役は、みどりの講演会について「身近な園芸手法から世界的視野に立った幅広い環境問題を題材
に毎月開催してきた」と説明。これまでに通算437回(5月末現在)を数え、講師数ものべ380人余。各界から息の長い緑化運動として好評を得ている。また、島尻業務役は「地域の美化活動などにも積極的に参加し、地域とのふれあいを大切にしてきた」と地道な活動の大切さをアピールした。調査隊員の知名紗也加さんは「銀行なのに植樹やサンゴの植え付け活動などやっていて意外だった。おばあちゃんが畑をやっているのでみどりの講演会のことを教えてあげたい」と話した。

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沖縄海邦銀行が取り組む「みどりの運動」の説明を島尻環境貢献室業務役(右)から受ける隊員6月19日、那覇市・沖縄海邦銀行本店

工場敷地内に約2万本
南西石油

 西原町の石油会社「南西石油」(川上オズワルド社長)は2008年、現在世界4位の総合エネルギー企業、ブラジル「ペトロブラス」の一員となったことを機に、企業が果たすべき社会的責任(CSR)の取り組みに力を入れている。環境保全や人権保護など10の国際的な課題の解決に取り組んでいる同社。同社CSRアナリストの大前理穂さんは「企業が継続して活動していくためには、さまざまな課題を解決し、地域とつながりを持つことが大切です」と強調する。ふるさとの緑を増やす取り組みとして同社は2009年1月からこれまで3回の植樹祭を開催。西原町や中城村の住民らも参加し、テリハボクやフクギなど沖縄の在来木32種類、約2万本を工場敷地内に植樹した。
2日に行われた企業視察で隊員らは、オキナワキョウチクトウとハスノハギリの2種類の苗木づくりを体験。比嘉修斗君は「社会的な活動を行うのも企業の役割であることが分かった」と感想を語った。
隊員らは植樹祭で植えた樹木を観察。わずか2年で隊員の背丈を超えるほど成長した樹木に生命力の強さを感じ取っていた。

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植樹する苗づくりに挑戦した隊員ら2日、西原町・南西石油

育樹で水の大切さPR
沖縄コカ・コーラボトリング

 沖縄コカ・コーラボトリング(浦添市、高橋俊夫社長)は本島北部でフヨウやツバキなどの植樹を継続している。全国のコカ・コーラが実施する「森に学ぼうプロジェクト」の一環。2006年からこれまでに国頭村や大宜味村で計8回、同社職員や地元住民、中南部からの参加者延べ2800人以上が参加している。同社CSR推進室の嘉手苅修室長は「弊社の製品はやんばるに降った水を利用させてもらっている。恩恵に感謝し、還元する気持ちで取り組んでいる。多くの人が参加し、普段何げなく使っている水に関心を持ってほしい」と話した。6月日、大保ダムでの育樹活動に参加した上里美向さんは「飲み物の会社と思っていたけど、水の大切さを伝える活動もしていたとは」と驚いた様子。嘉手苅風花さんは「自分で手入れした木を何年後かにまた見に来たい」と話した。

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植樹活動で植えられた木の手入れをする隊員6月18日、大宜味村・大保ダム

30メートル球形ホルダー見学
沖縄ガス

 県内約8万世帯へ都市ガスやプロパンガスを供給している那覇市の沖縄ガス(宮城諝社長)は、熱効率
のよいガス給湯器エコジョーズ、家庭用燃料電池など環境にやさしい新製品の普及に力を入れている。営業企画部の湧川直明部長は「ガスは石油や石炭などに比べC排出量が少ないクリーンなエネルギー」とP
R。那覇市西の工場では徹底した品質管理を行い、各家庭へのガスの安定供給の役目を果たしている。
2日の企業視察で隊員らは、ガスの製造工程を学んだほか、めったに立ち入りできないガスを貯蔵する高さ約30㍍の球形ホルダーを見学。安全ベルトを装着し15㍍地点まで上り、こわごわとしながらも高所からの景色を楽しんだ。鈴木一平君は「燃やす燃料によってCO2排出量が異なることが分かった。最適なエネルギー源を考えることも大切だ」と感想を語った。

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球形ホルダー見学前に注意点などを聞く隊員2日、那覇市西・沖縄ガス