2009年04月16日 【朝刊】

僕らは見た バリの今
話そう今 できること

 子どもたちが環境問題に直面する外国を訪れ、自然保護活動などを調査する学習ツアー「沖縄こども環境調査隊」(主催・沖縄タイムス社、共催・海洋博覧会記念公園管理財団)隊員の中学生4人が3月31日から4月6日の日程で、インドネシア・バリ島を訪問した。隊員たちはマングローブの特徴や生育環境、ごみ処理問題などについて調査。現地の中学生とも交流し、理解を深めた。派遣されたのは、伊江中3年の知念栞菜さん(14)=伊江村、喜瀬武原中2年の伊差川舜君(13)=恩納村、那覇中1年の新崎聖華さん(12)=那覇市、北中1年の松山大海君(12)=宮古島市=の4人。沖縄でバリの環境問題や自然、文化を紹介しようと、さまざまなことを学んだ。その様子を写真で紹介する。(社会部・嘉数よしの)
 沖縄タイムス社は、創刊60周年を機に2008年から、「新環境主義」を掲げている。自然環境はもとより、身近な生活まで「すべての環境にやさしさを」と提唱。その一環として今年、環境学習ツアー「沖縄こども環境調査隊―地球の声を伝えよう」を実施している。
 隊員に選ばれた24人には、マングローブ、サンゴ、クイナ、ウミガメをテーマに、沖縄と共通の課題を抱える各国で、環境問題の現場を体験、保護活動の取り組みなどを発信してもらう。9月にはその体験を発表する「沖縄こども環境ミーティング」を予定している。

葉をなめる塩分.jpg

葉から塩分を出すヒルギダマシを恐る恐るなめる新崎聖華さん。塩気を確認すると、「すごい!」と目を見開いて驚いていた=2日、マングローブ情報センター

ゴミをみる.jpg

マングローブ林にたまるごみを目の当たりにし、ぼうぜんとする松山大海君。マングローブ情報センター内には、周辺集落から流れてくるごみが山積。大きな課題になっている=2日、マングローブ情報センター

デンパサール.jpg

汚水のろ過システムの説明を受ける隊員たち。現地の中学生ともごみ処理問題など幅広く意見交換した=1日、国立デンパサール第一中学校

ドリアンをみる.jpg

「果物の王様」ドリアンに興味津々の松山大海君(中央)。においをかいで「食べられない」と絶句。隊員4人ともドリアンを食べることはできなかった=4日、バリ島・キンタマーニ

オオバヒルギ植える.jpg

オオバヒルギを植える新崎聖華さん(右)と伊差川舜君。「大きく育って」と願いを込め、一本一本丁寧に植えていった=2日、マングローブ情報センター

種子をとる.jpg

植林するため、オオバヒルギの胎生種子を取る隊員たち。多くのマングローブを植えたいと、思い切り手を伸ばし、夢中で種子を取っていた=2日、マングローブ情報センター

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美しく広がる棚田。かんがいが稲作を支えている。水田に流れる水は水路から遠い所ほど温かく、稲がよく育つという。水は洗濯などにも使われ、人々は自然と「共生」している=4日、ウブドゥ郊外

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バリ島の特産品の一つ、コーヒー。農園でおじさんに「やってみない」と誘われ、伊差川舜君(左)がコーヒー豆のすりつぶしにチャレンジ。その後、おいしくコーヒーをいただいた=4日、テメン村観光農園

船上でダンスをならう.jpg

レンボガン島に向かう船上で、船員からレゴンダンスを習う知念栞菜さん(右)。体を弓のようにしならせる動きに苦戦しながらも、「楽しい」ととびきりの笑顔=3日、ブノア湾近く